2006年05月18日

31歳ガン漂流 奥山 貴宏  5

実は最近自分と同い年の同僚が白血病におかされました。
31歳です。
現在も闘病中で2回目の抗がん剤治療に入りました。
そういった状況であり、自分と同い年である31歳である(であった)奥山氏の本は
常々気になっていました。

内容(「MARC」データベースより)
自分がガンになるなど想像もせず、気ままに過ごしていた日々に、突如「肺ガン」という事実がふりかかってきた。もちろん、ガン細胞とは闘う。でも、オレの日常はガンには譲り渡さない-。そんな日々を赤裸々につづる日記。

2003年初版の本ですが、ブログ形式です。
ご本人はモノマガジン等でライターをやっていた方ということで
興味のアンテナが若者っぽいというか、大学時代の自分を感じました。
で、内容の感想はというと「客観的」です。
本人も本文内に以下のように書いております。
「怒り、絶望、恐怖、悲しみ、そういう要素は全部俺一人だけで楽しむためにとっておく。勿体無くて、誰とも分かち合いたくない。読者には悪いけど、全部俺一人だけの領域。」

たぶんというか、当然「死にたくない」「生きたい、やり残したことがある」という感情が
死と隣り合わせの生活の中で大きな部分を占めると思いますが
そういった感情は一切でていません。はなっから「自分は31年十分生きた。長すぎたぐらい」と
語っています。
それがかえって読者には「生への執着」を感じてしまうかもしれません。

本の中には抗がん剤による治療の苦しさがずいぶんかかれています。
話は戻って白血病の同僚のことですが
抗がん剤治療は本当につらいものらしいです。
自分は勇気がでずに直接お見舞いに行くことができていませんが
お見舞いにいった人の話を聞いていると、治療中は本当につらそうと言っています。
今自分ができることは同僚みんなで作っている千羽鶴と
病院にメールを送ると、本人にプリントアウトして渡してくれるサービスがある病院なので
当たり障りの無いメールを送ることぐらいです。
31歳で白血病になった同僚だと、この本をどう感じるでしょうか。
健康な自分の感覚であれば、「きっと励まされるにちがいない」と思うのですが
本人がどういった精神状態か見極めれない状態で
この本を読んで何を感じるか想像できません。
それに加え、奥山氏は亡くなったという書き込みもありました。
やっぱり贈らないほうがいいでしょうかねぇ。

そういえば自分が登山に目覚めたのも
「もし自分が不治の病になったとしたら、何がやりたいか」ということを
考えたのが始まりだったと思います。
最初は「世界には自分の知らない素晴らしい景色がある。是非見てみたい」といったかんじで
学生の頃の遠足や登山で特に良い思い出もない自分が
急に山に焦がれたのを覚えています。
奥山氏はもし健康であれば何がしたかったしょうか。と考えてしまいました。

というわけで、同年代の方には是非読んでもらいたい本です。
若さや健康は素晴らしく、そして失くしてしまうまでわからないということを
自分なりに咀嚼して理解できる素晴らしい本だと思います。



31歳ガン漂流


d98222 at 14:21コメント(0)トラックバック(0)読書   この記事をクリップ!

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