2006年07月15日

亡国のイージス 福井晴敏  4

「週1冊本を読むこと」を2006年の目標としてきた私ですが
しばらく本を読めていないため、ブログを書いていなかったわけではありません。
とうとう禁断の「亡国のイージス」に手をだしてしまいました。
文庫版を購入したのですが、かなり分厚い上下巻・・・
毎日通勤時間1時間で読んだのですが、2週間かかりました。

出版社/著者からの内容紹介
圧倒的スケールで描く三賞受賞の傑作
在日米軍基地で発生した未曾有(みぞう)の惨事。最新のシステム護衛艦《いそかぜ》は、真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った《楯(イージス)》が、日本にもたらす恐怖とは。
日本推理作家協会賞を含む三賞を受賞した長編海洋冒険小説の傑作。

面白かったです!
先日のウルトラダラーに続き、国防物、北朝鮮物が続いておりますが
いずれも内容を良く知らずに読み始めました。
とにかく人物描写が細かく、そして長いです。
最初は細切れの話が続くのですが、それが段々つながってきます。
まあ常套手段と言ってしまえばそれまでですが
どんどん引き込まれていく自分を感じました。

作者の福井氏は1968年生まれで私の7歳上になるのですが
この話自体は1999年(7年前)に発表されているようです。
従って福井氏は今の私の年齢の時にこの本を書いたことになります。
それを考えると驚愕であり、想像を絶する深い造詣がこの年齢の時にあったかと思うと
驚くほかにありません。

この本の最後に切通氏という批評家が解説を書いているのですが
その中でかわぐちかいじの「沈黙の艦隊」との比較を行っています。
そのなかで「沈黙の艦隊」は大ベストセラーになったが、反乱軍のリーダーも
政府側のリーダーも妙に颯爽として不気味にすら感じるとのことでした。
私も「亡国のイージス」を読んだ時にすぐ「沈黙の艦隊」を思い出しました。
そして「亡国のイージス」のキャラクター達の苦悩であったり
煮え切らない状況がずるずる続くのをみて、同じように「沈黙の艦隊」側の
違和感を感じました。
確かに理想・理念のために颯爽としすぎているのです。
人間は悩み迷う生き物ですから、自分とは異なる人生を歩んできた自衛官であれ
苦悩に悩まされるはずです。それを達観しすぎているのです。
それもあって「亡国のイージス」にどんどん引き込まれていったような感じです。

ただ残念なのは、ちょっと話の展開に無理があるところが散見されるところでしょうか。
(以下ネタバレあり)
宮津艦長が国を裏切り、テロリストに同調してしまう理由であったり
それに竹中副艦長以下の自衛隊幹部が参画してしまう理由であり
新任幹部の計画に参画してしまう動機であったり・・・
まあそこが私と同じ年で書いたという「若さ」の部分としておきますか。

今ローレライを読むか否かで悩んでおります。。
あちらのほうがさらに長いので、もっと時間がかかりそうですが。
いずれにせよ、当面福井氏はウォッチしていきたいと思います。



亡国のイージス (上)



亡国のイージス (下)


d98222 at 14:32コメント(0)トラックバック(0)読書   この記事をクリップ!

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