2006年09月17日

Twelve Y.O. 福井晴敏  4

先日の「亡国のイージス」を読んで以来、福井氏の本を狙っていました。
といっても「終戦のローレライ」は文庫本で全4巻もあり
ちょっと・・・手を出すのには敷居が高いです。
従って福井氏が過去に江戸川乱歩賞を受賞した「Twelve Y.O.」にチャレンジしました。

出版社/著者からの内容紹介

第44回江戸川乱歩賞受賞作
12(トゥエルブ)――それは「12歳の子供」と断罪された日本が、隠し持っていた凶暴な牙。
行き場をなくした男たち、女たち、そしてこの国が大人になるための、凄絶な戦いが始まる。
エンターテインメント界を震撼させる才能。
全選考委員を驚嘆せしめた大型新人の登場!
人生の意義を見失い、日々をただ過ごしていただけの自衛官募集員・平貫太郎は、かつての命の恩人・東馬修一に偶然出会ったことから、想像もつかない日本の地下組織の闇に呑み込まれてゆく。
最強のコンピューター・ウイルス「アポトーシス2」と謎の兵器「ウルマ」を使って、米国防総省(ペンタゴン)を相手に、たった1人で脅迫劇を仕掛け続ける電子テロリスト・トゥエルブとは何者か。
彼の最終的な目的は何なのか?
絶望感と閉塞感が渦巻く現代(カオス)を吹き抜ける一大スペクタクル・サスペンス!

この本が出版されたのは1998/10
当時福井氏は30歳、今の自分より年下です。
しかも当時はまだ某警備会社に勤めているようで
そういう状況のなか、これだけの本が書けるというのは素晴らしい。
「亡国のイージス」の時もそうでしたが、まずそこに驚きと憧れを感じてしまいます。

内容的には福井氏らしい背景描画と心理描画で楽しめます。
それと一番気に入ったのはこの話は「亡国のイージス」の前段となる話であるとこ。
それを全く知らずに読み出した私にとっては
「亡国のイージス」を思い出しながら、
「あの背景にはこういった事件があったのか・・・」という感じで楽しめました。
話の展開も二転三転します。
誰が悪で誰が善か・・・というのを考えさせられます。
それぞれの日本人が日本にとって良かれと思って行動しますが
全く違う行動をしてしまうところが悲しくもあり切なくなります。

ただ残念なのはキャラクター設定が「亡国のイージス」とほぼ同じところです。
・主人公は平凡な中年自衛隊員
・美しく強く冷徹な女性兵器
・兵器になりきれない若いダイスの男性
・冷徹でアメリカ相手に戦争をはじめる首謀者

もちろんそれぞれ微妙な設定は異なりますがちょっとワンパターンかなと。
それで★4としました。
私は「亡国のイージス」から読んだのですが
人に勧める場合、どちらから読んだほうがいいか・・・ちょっと迷います。
スターウォーズ的に「その後の世界」を知った上で「Twelve Y.O」を読む楽しみもありますし
普通の流れとして時系列に読むことも捨てがたいし...
まあどちらから読んでも「設定が似ている」という感想は避けて通れないと思いますが...

というわけで今度機会をつくって「終戦のローレライ」にチャレンジしてみます。
登場人物の設定がこれまでと変わっていることを祈りながら・・・



Twelve Y.O.


d98222 at 14:40コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!

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