2006年11月12日

出口のない海 横山秀夫  3

最近出張続きで、新幹線に品川から乗る前にふらりとブックガーデンに寄り
第一印象で本を買うことが多くなっています。
だから映画化される本が目につき、それを読むことが続いている気がします。
そんななか、おびに市川海老蔵主演で映画化されるこの本を手にとりました。

内容(「BOOK」データベースより)
人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。命の重みとは、青春の哀しみとは―。ベストセラー作家が描く戦争青春小説。

「回天」というものの存在は知っていました。
第二次世界大戦の終盤で軍部が苦し紛れに開発した特攻兵器・・・
それぐらいの認識でした。
それがここまで複雑な(原始的な)操縦方法で
(特攻兵器なのに変ですが)危険な代物だとは・・・
「回天」はある程度の距離から標的を目測で確認し
その標的が動いている方向、スピードを計算し
それを踏まえて海に潜り、ただ予測された目標に向けて
真っ暗な海のなかを進んでいくそうです。
一度もぐったら、もう外は確認できず
正確に標的にいつぶつかるかもわからずに
ただひたすら死に向かっていく・・・そして脱出もできない・・・
想像を絶する恐怖と戦わなければいけない特攻兵器ということです。

この本はおそらく「回天」についてよく調査されたうえで書かれているのでしょう。
非常に細かい操縦方法や扱いの難しさがよくわかります。
そしてそんな代物に乗らなければいけなかった若者の揺れる気持ちも
よく伝わってきて、暗いながらもさわやかさを感じます。

ただ、なぜか自分にはしっくりこない部分があります。
それが何かなのかはよくわからないのですが、「違和感」を感じるのです。
うまくいえませんが
当時の状況、特攻をする者の気持ちとして
「死ぬことは怖い。が、愛する者を故郷を国を守るために、自分は特攻を志願する」
という所が少ないからかもしれません。
もちろん人それぞれ「死」に対して色んな理由を見出すのでしょうが
主人公の「並木」にも、「北」にもそういった描写が不足しています。
唯一「沖田」がそういった部分があったのですが、それでも描写が浅い気がしています。
まあこれは自分の希望(歴史認識)なので真実とは異なるかもしれませんが。

というわけで評価は厳しくつけています。
ただ「回天」について詳しく知ることができたので、決して読んで損する本ではありません。



出口のない海


d98222 at 14:50コメント(0)トラックバック(0)読書   この記事をクリップ!

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Profile
Categories
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

おすすめショップ
アウトドア情報とショッピング総合サイト
NAG OutdoorOnline!
おすすめショップ
Recent TrackBacks
  • livedoor Readerに登録
  • RSS
  • livedoor Blog(ブログ)